ICUだからこそのやりがいもある
重篤な状態の患者さんが多いICUでは、元気になって一般病棟に移る患者さんはそれほど多くありません。終末期ケアを任されることもあるため、やりがいが見出せなくなってしまいモチベーションが下がってしまう人もいます。ICUで働く看護師は何をやりがいとしているのでしょうか。
患者さんの変化が分かる
ICUに入院している患者さんは「いつ」「どうなるか」分からない不安定な状態なので、急に悪化する場合もあれば、反対に一般病棟に移れるくらい改善する場合もあります。ですが、ICUは状態が悪化してしまう患者さんが多いため、担当患者さんが使用している機器が減ったり薬剤が少なくなったりと状態が良くなっていることが目に見えて分かるときに、これまでの看護の達成感を感じたり看護師としてのやりがいを感じたりする人も少なくありません。
ICUでの看護がその後につながる
入院している間はほとんど意識がなくICUでの様子をしっかりと覚えていない患者さんが、一般病棟に移った後にICUでの看護の様子を聞いて退院のときに訪ねてくれたり、一般病棟の看護師から元気に退院したことを聞いたりしたときに大きな喜びを感じる人もいます。
また、患者さんの生死を左右するのはもちろん、その後の生活をどう過ごすかは初期の治療、つまりICUでの看護が大きく影響するといわれています。そのため、ICUでは常に「何ができるか」を求められており、責任も重大です。一般病棟で元気に過ごしている様子を見てICUでの看護を評価されたときに、ICUでのやりがいを感じることもあるようです。
チーム医療が実感できる
患者さんの容態に変化があったときに医師や看護師が連携して治療しますが、お互いの意思が疎通していなければ適切な治療ができません。特にICUは一瞬の判断が非常に重要になってくるため、息がぴったり合っていなければ治療に手間取ってしまい取り返しがつかない事態が起きてしまいます。そのため、チームのスタッフ全員の呼吸が合い、患者さんの状態が安定したときに大きな達成感や充足感を感じます。
知識が豊富になる
医療の世界は日進月歩。常に新しい治療法や薬剤が生み出されているため、勉強し続けなければなりません。様々な疾患の患者さんが運ばれてくるICUでは幅広い知識や技術を働きながら身につけることができます。
成長が実感できる
ICUでは経験を重ねることで知識が増え、判断力も磨かれていきます。過去の経験からより良い看護のアイデアを出したり、自分の知識や技術に誇りが持てて後輩の育成に積極的に携わったりなど、看護師として大きく成長できます。
点滴や採血の回数も必然的に多くなるため自然と技術力も磨かれていきますし、経管栄養や褥瘡ケアなど高齢者医療の処置も身につくため、ICU以外の病棟でも通用する技術が身につきます。